『願い』








笹が飾られてゆく

複数に繋がった輪や網の目、星の形に切られた紙達が

単色な緑の笹を鮮やかに色づける

でもメインは短く切られた長方形の一枚の紙

そして皆その紙に祈りを奉げて願いを書きこむ



「願い・・・・か。」俺はふと思い出した

ある鏡の事を

それは自らの命と引きかえに願いを叶える鏡を

己の命を落とす鏡の事を



暗黒鏡・・・・・

怖い鏡だ・・・

なんでも願いを叶える代わりに命を落とすのだから




でも

もし

暗黒鏡がなかったら?



そして

願いを叶えようとしなかったら?



母さんは病気で死んで

幽助達にも会えなくて



「・・・・蔵馬?」



ぼたんにも会えなくて

好きにもならなかった



「蔵馬は書かないのかい?」

「え?」

「短冊にお願い事だよ」

「オレはいいよ。」

「?なんでさ?」



「だって・・・オレの願い事は星では叶えてはくれないから。」

「へ?」



俺の願い

それは



「ぼたんと一緒にいたい・・・そしてその時間が増えれば」

「蔵馬・・・・。」

「俺の願い叶えてくれますか?」



ぼたんはほんのりと頬を染めながら

「NOなんて言わないよ!・・・・・馬鹿。」




END


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


水神 雫様からいただきました♪

こちらの小説も雫さんのサイトがお引越しされた際のお引越し記念として、
ある期間限定でフリーだったものを頂いてきました☆
暗黒鏡のことを『怖い鏡だ』と言っている蔵馬が印象的でした。
でも、ホントに暗黒鏡が無ければ皆とも出会えなかったし、ぼたんとも出会えなかったんですよね・・・。

雫さん、素敵な小説をたくさん、本当に有難うございました!!

雫さんのHPへは『リンク』ページから飛ぶことが出来ますvv



宝物へ戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送