『夜空』
今夜は夜空を見ていた
とても綺麗な夜空
何故か今夜の夜空はとても綺麗で
まるで誰かを思い浮かばせるような、、、
そんな夜空を
俺は一人
部屋の窓辺からながめていた、、、
「わっっ!」
突然目の前に現れた空色の髪の少女
「、、、、、ぼたん。」
「あれ?驚かないんだね?」
驚いたというより丁度君の事を考えていたその時に
あまりにもタイミングが良すぎて
俺は嬉しさの方が優先していた
「どうしたんです、こんな時間に?」
「蔵馬、今ちょっと出れるかい?」
「珍しいですね、ぼたんから俺をさそうなんて。」
「たまにはいいじゃないか。」
そう言ってぼたんは笑顔を浮かべる
俺はこの笑顔に弱い
このぼたんの笑顔を見ると昔の自分を全て打ち消してしまうほどに、、、
「出れますけど。、、どこに行くんですか?」
「どこだと思う?」
そう言ってぼたんはまた笑う
この必殺技にこっちも応戦する
「どこへだって行きますよ。ぼたんと一緒なら。」
とたんにぼたんの顔が赤くなる
「////馬鹿。」
「あっ、そうだ今日はとっておきの場所に行くからね。」
「期待していいんですか?」
「もっちろん☆だからあたしがいいって言うまで目、開けちゃダメだよ。」
蔵馬は眼を閉じぼたんのオールをしっかりと握りしめる
「それじゃ行くよ、蔵馬しっかりつかまっておくれ。」
ぼたんがそう言うとオールが浮き上がった 今、どこをどう飛んでいるのかは解らなかったけど確実に空へと近いているのは解った
星に近づき、、、
月に近づき、、、
空に近づき、、、
「蔵馬、着いたよ。」
「目、開けてもいいんですか?」
「いいよ。」
俺は閉じてた目を開いた
目を開くとそこには空も地上も光で満ち溢れていた
空は星や月の光「どうだい?蔵馬、綺麗だろ?」
「本当、、、、綺麗ですね。」
まるで宇宙空間を切り取っているようなこの景色、、、
「ここが、あたしの一番のお気に入りの場所なんだよ。」
「、、よく、来るんですか?」
「、、、、、、うん。」
とたんにぼたんの顔が暗みをおびる
「こんな仕事やってるとさ、つい暗い気持ちになりがちだろ、、、、。」
「ぼたん、、。」
「そんな時よく来るんだよ、、、なんでか解んないんだけどさぁ、、、この景色を見ているといつの間にか元気になるんだよ。」
そう言ってぼたんは
また笑顔を浮かべて俺を見る
この周りの光達に負けない位の綺麗な笑顔
「ここなら街の光も空の光も独り占め出来ますからね。」
「じゃあ、俺は選ばれたんですね。」
「え?」
「ぼたんが一番気に入ってる場所に俺を連れて来てくれたという事は、俺とならこの景色を一緒に見てもいいって、そう思ってくれたって事ですよ。」
「、、、あ。」
言われて初めて気がついたらしく
また、ぼたんの顔が赤くなる
「///、、、迷惑だったかい?」
「まさか、そんなこと俺が言うと思います?」
「、、、、思わない。」
お互いの気持ちがかみ合い心地よい雰囲気が二人を包む
「蔵馬?」
「今度はぼたんが目を閉じる番ですよ。」
蔵馬の唇が
そっとぼたんの唇に触れる
今夜は夜空を見ていた
とても綺麗な夜空
でも
今だけは
夜空が俺達二人を眺めていた、、、
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